代表者の木村さんは、もともと手作りが好きで木工や燻製作りが趣味でした。
　事務所の中央にある円形のテーブルも木村さんの手による物で、プロ並みの仕上がりになっています。
　木村さんのこだわりの一端が窺える作品です。
　木村さんの生産する果物は、その質の高さから最高級の完熟果物としてインターネット販売でも高い人気を博しています。
　有機質肥料100％を使用し、除草剤は使用せず、農薬も削減し、自然物を使用して樹を健康に育てています。
｢ラ･フランス｣では平棚仕立てにすることによって、ひとつひとつの果実がたっぷりと太陽の恵みを受けて育ちます。
　質の高い果実の生産がそのまま質の高い加工品の仕上がりに直結しているのです。
　木村さんが加工を始めてほどなく、｢上山物産協会｣の物産展に出展の誘いを受けて加工商品を売り出したのがきっかけで、各方面の要望に促される形で、徐々に加工品の数を増やしていきました。
　販売店は地元を始めとして、今では首都圏から北海道にまで広がっています。

　｢ソフトドライフルーツ｣の開発には実はある出会いが深く関わって いました。
　20年程前、木村さんがネパールを旅していた時のことです。
　ネパールの奥地に日本から果樹を導入して、果物を生産しているある日本人と出会いました。
　その人が作っていたのが乾燥果実でした。
　地形が複雑な上に、交通網も整備されていない、もちろん冷蔵設備などもない場所で、輸送や長期保存の為には果実を乾燥させるしか方法がありませんでした。
　木村さんはその時食べた｢ドライフルーツ｣の味が忘れられず、｢いつかは取り組んでみたい｣という思いをずっと胸に温めていたそうです。
　そして、その味に近づくために様々な乾燥法を検討し、県内外のソフトタイプの干し柿の加工場なども視察し、参考にしながら｢ソフトドライフルーツ｣として納得のいく製法を見出しました。