さくらの旬の味覚発見!

山形のりんご

はじめまして、さくらです。 山形の蜜入りりんごは日本一!
初雪も降り、月山や蔵王はもう雪景色となったここ山形県村山地区では、今がりんご収穫の最盛期です。さくらもりんごは大好き。そこで、今回山形のりんごのおいしさの秘密に迫るべく、寒河江市の県園芸試験場、天童市の新関さん、そしてJAてんどうフルーツセンターを訪問させていただきました。
山形県園芸試験場
県農業普及課の野口さんお話をお聞きした野口さんは、まるでリンゴ博士。  村山総合支庁北村山農業技術普及課の野口さんのお話では、ここ山形の村山地区は、りんごの栽培にとても適した気候なのだそうです。りんごは日照量が多いほど蜜が入りやすく、糖度が高まります。あまり暖かい地域だと果実がボケやすく(軟らかくなること)、着色も良くないのだそうです。逆に寒すぎる地域では春の訪れも遅く、その分太陽にあたる時間も短くなってしまい、甘さが少なくなってしまうのだそうです。山形は、りんごにとって最適な気候と日照量に恵まれているのです。
 ん〜、山形のりんごはうまいわけだ、とさくらも思わず納得。

 近頃他県のりんご産地では、手間をかけずにすむ「わい化栽培」が多くなってきているそうです。「わい化栽培」とは、木の成長を押さえ、わざと木の高さを小さく栽培する方法です。一本の木からの収量は少なくなるものの、通常の木より3年ほど早く実をつけるため早くから収穫でき、栽培管理がしやすいという長所があります。でもわい化された木は、木自身の持っている力が弱く、寿命が大木より短いこと、台風などの気象災害に弱いこと、紋羽(もんぱ)病という根の病気に弱いことなどがあります。
 そんな中、山形県内の多くの農家は、昔ながらの大きい木のままの栽培にこだわり続けています。木がもつ自然の力を十分にひきだし、のびのびと育ててあげること。これが山形のりんご作りのポリシーなのです。そして、こうしてできたりんごが、“全国一おいしいりんご”なのです。
蜜をたっぷりと含んだふじりんご。蜜をたっぷりと含んだふじりんご。
リンゴ生産者
*生産者の深い愛情がおいしいりんごの決め手*
 天童市の新関さんも、山形のりんご作りのポリシーを守り続けている生産者の一人です。収穫時期のお忙しい中、お話をお伺いしました。
 新関正人さんは、地元天童市山口出身で、りんご作りの大ベテラン。りんごだけで1.2ヘクタール以上ある新関さんの農園では、つがる・千秋・昂林・陽光・駒ふじ・王林・ふじなどの品種のりんごたちが大切に育てられています。

*栽培方法*
 りんご栽培の作業は1年がかり。冬、雪の中での剪定(木を切る作業)から始まります。剪定で枝と枝の重なりをなくし、ムダな枝を切り取ることで、全ての枝に陽が十分に差し込み、太陽の光をたっぷり浴びた甘いりんごが育ちます。土壌には、有機質肥料と、2年ほど熟成させた堆肥を使い、根が伸びやすい環境を作ってあげます。
 春には花摘みをします。この時に花芽を見極めるのがプロのわざ。葉になるか花になるか、一つ一つの花芽の素質を読むのだそうです。いい花芽だけを残し、良質りんごが育つ可能性を高めます。
 りんごは病気や害虫に弱く、現状では農薬をなくす事はできない作物ですが、新関さんは農協防除基準に基づいて、最低限の農薬だけを使用。農薬の濃度・回数をできるだけ減らし、減農薬の努力を続けています。安心して食べられますね! 
 こうして年間を通して細やかな作業をつづけ、ようやく収穫の時期を迎えます。
天童市山口・新関正人さん
天童市山口・新関正人さん
ふじと共に王林も今が旬。
ふじと共に王林も今が旬。
花芽を見分ける新関さん。 *りんごの特徴*
 新関さんが手塩にかけたりんごは、とにかく糖度が高い!14°〜15°が通常の平均糖度。なのになんと、新関さんのりんごは約17°という高い糖度を保っています!この最高数値の糖度と適度な酸味のバランスが、絶妙な甘酸っぱさをうみだしているのです。

*こだわり*
 蜜入りであること、糖度が高いこと、食味が良いことにこだわる新関さん。出荷は少し遅くなっても、「完熟」で一番おいしい時期に出荷します。直接注文をしてくださるお客さまから「うまかったよ!また来年も頼むよ!」と言われる事が一番うれしいそうです。
 山形のりんごの味を知っている人は、山形りんごが出回るまで、他県りんごを買わずに待っていてくださるそうです。山形りんごの根強いファンは、確実に増えているのです。
 「疲れた木は次の年には休んでしまう。毎年実をつけてくれるよう木に無理をさせず、木の力に合わせてあげる事が大事なんだよ」と新関さん。木と話し合いながら、りんごが育ちやすい環境作りを手助けしてあげることで、自然の力と人の力が生み出した恵みの象徴が、みんなから愛される山形のりんごなのですね。
おいし〜。
お言葉に甘えてもぎたてをがぶり☆ しゃきしゃきした、蜜たっぷりのおいしいりんごでした〜!
JAてんどうフルーツセンター
JAてんどうフルーツセンターの様子。

 新関さんをはじめ、天童市の沢山のりんご農家の方が愛情込めて作られた美味しいリンゴは、ここJAてんどうフルーツセンターから出荷されています。センサーで着色・糖度・味・大きさ・品種を32通りに選別し、品質もしっかりチェック。奇麗に箱詰めされた山形のりんごが次々と県内外に出荷されていきます。
 ここでは、りんごの他にも、さくらんぼ・すもも・桃なども取り扱うため、1年を通して稼動しています。


更新日 H20.11.12

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