さくらの旬の味覚発見!

山形のもも

日本一の甘さを誇る山形のもも!
 まだまだ暑さが残る山形県。今年の夏は本当に暑かった〜!!でも近頃夕方になると涼しい風もふいてきて、少しずつ秋の気配が近づいてきているのを感じます。
  今年の夏のさくら、幾度となくバテました(=_=;)食欲がなく(ありえない!)ヘロヘロのさくらを救ってくれたのが果物たち。何も食べられなくても、果物だけは食べられたの!主にお世話になったのが、「すいか」と「もも」でした。あぁ山形っコでなければさくらはこの夏を乗り越える事はできなかったでしょう…。そういえば小さい頃から、風邪をひいて何も食べられない時でもももの缶詰だけは食べられたっけ。
 さて!そんなご縁(?)もあってか、今回はもも畑にお邪魔することになりました。お伺いしたのは、「天童市農協果樹部会 もも・すもも部」の元部長、山口啓さんのもも畑です。
*栽培方法*
 畑に一歩足を踏み入れると、目の前にはピンク色のまるまるとした大きなもも!!そしてふんわりもものいい香りが♪10種類ほどの品種のももを生産している山口さんですが、今回伺ったのは収穫目前の「おどろき」という品種のもも畑。この「おどろき」、本当に驚くほどでっかい!!枝が重みで垂れ下がって、色づきも良く、すぐにでもかぶりつきたいくらい!でもこの「おどろき」は、ラ・フランス同様、美味しく食べるには3日ほどおいてからがおすすめ。「おどろき」は、もぎたては驚くほど硬い品種。そのため数日追熟させることで果汁が多くなり、実も軟らかくなり、甘みが増すんだそうです。「柔らかくなる」といっても、他の品種と比べるとシャキっとした歯触りの硬めのもも。ももって、「柔らかい派」と「硬い派」に分かれますが、硬めのももが好きな方におすすめです。かじりごたえがたまりません♪
 そしてその枝をよく見ると…なんだか、枝の途中からさらに細い枝が伸びて、そこにももの実がなっている様子。できるだけやわらかく細い枝にならせる事によって、実に養分が集中し、ゆっくり、じんわりと実を大きくなっていくんだって!あまり強く太い枝では、枝が栄養を吸収してしまい、実まで行き渡らないんだそうです。そこでやはり重要なポイントが剪定や摘果。どの枝に実をならせるかを考えながら、余分な枝や葉を取り除きます。ももは太陽ぼ光が大好き。だけどあまり枝や葉を取りすぎると日焼けしてしまいます。太陽の光がほどよく当たり、なおかつうまく日陰を作ってあげる事も必要なんだそうです。剪定は、まめにしてあげるのが大切なんですね!
 「おいしいももを育てるポイントはどんなところですか?」と山口さんに聞いてみました。「木の持っている力を最大限に引き出してあげる事!そして着果部位をうまく導く!これだべな!!」山口さんの言葉、力強くて頼もしいですね!


*山形のもも*
 「もも」もそうですが、同種の果実の中で早く収穫できるものを早生(わせ)、収穫時期が遅いものを晩生(おくて)、そして中間を中生(なかて)といいます。 この「おどろき」は、晩生の品種で、有名な「川中島」も同じ晩生の品種。 山口さんは、「これからの山形は晩生で勝負だ」と強い意気込み!なぜなら、早生・中生の時期は、どうしても山梨や福島など、他の生産地とバッティングしてしまうため。もものイメージは、まだまだ他県の方が強いというのが正直なトコロ…。
 そもそも「おどろき」は、標高が高い長野などでは糖度がのらずあまり普及しなかったブランド。でもここ山形は他県より温度が1、2度高く、夏でも夜が涼しいことから、糖度がのった美味しいももができるのです。それに選果基準だって山形のレベルは高い!!山梨・福島の特秀の基準が13度のところ、山形はなんと15度!!2度も基準が高いんですよ〜!!山形のももは、どこに出しても負けないくらい、高レベルなももなのです!
 ももの収穫は、7月25日〜9月20頃までが出荷のピーク。今まさに収穫時期まっさかりです!

黄金桃*ももの品種*
 ところで、ももにはものすごい数の品種がある事を皆さんはご存知でしたか?? さくらは正直、ひとくくりで「もも!」と思っていたのですが、加納岩白桃、みさか白鳳、あかつき、まどか、おどろき、川中島白桃、くにか、美晴、紅錦香、ゆうぞら等、山口さんが生産されている品種だけでもこれだけあるんです!!他県で栽培されているももを含めたら、一体どれくらいの数の品種になるのでしょうか??
 ももは、他の果樹と比べると枝変わりする確率がとても多いために品種が多くなってしまったんですって。ちなみに天童市で一番生産量が多いのは、果肉がやや堅めで、果汁も甘みも強い川中島白桃、2番目は果肉がよくしまり甘みも強いあかつきだそうです。この2種に関しては、親元がしっかりしているため枝変わりも少なく、変わらぬビッグブランドとして君臨しています。

*ちょっと苦労話*
 ももづくり20年の山口さんですが、やはり苦労する事…それは天気。 「いや〜、やっぱ天気には勝てないねぇ」としみじみ語る山口さん。
 今年の6月は雨が少なく、例年より少し甘みがのりづらかったんだとか。 そして逆に8月雨が多く、病気になりやすくなるため気が抜けなかったそうです。消毒も厳しい管理のもと最小限に散布しているため、特に糖度がのってくると寄ってくる虫には注意が必要です。

*ももってすごい!*
 夏バテ祭り開催中のさくらがなにげに食べていたもも!実は、多種多様なミネラルをバランス良く含んでいるため、桃は夏バテ解消に効果的なんですって!!!なるほど、体は必要な物をわかっていたという事ですね♪
 ももは水分もたっぷりなので、夏場喉が渇いたとき桃を食べれば、免疫細胞が活性化して元気を取り戻せるそうですよ!それから食物繊維のペクチンが豊富に含まれているので、コレステロールを減らす作用や便秘解消に有効的で、高血圧予防のカリウムや、血行促進のナイアシンも含んでいるんだって!!あと実以外でも、お風呂にももの葉を入れると、あせもや皮膚トラブルによく効くそうです。夏の強い日射しで疲れたお肌も、モモの葉風呂で解消しちゃいましょう♪
 
見事に色づいたおっきなもも!!
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今にも落っこちそう!!
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余分な枝や葉は取り除き、でも出来るだけ葉っぱは残してあげた方が木にも果実にもいいのだとか。


「一番美味しそうなの選んでけぇな〜!」と山口さん。


さくらが選んだのはこれ!でっかい!


あれ!?2個!?!?
どっちも甘くてジューシーで、とっても美味しかった〜!(^o^)/
*JAてんどうフルーツセンター*
 山口さんをはじめ、天童市内で作られたももたちはJAてんどうフルーツセンターに運ばれ、光センサーで糖度・大きさをチェックされます。チェック後は、それぞれ等級別、品種別に箱に詰められ、主に東京や大阪に出荷されていきます。左の紫色の箱の中には、糖度15度以上の特撰品のもも。ぜひ全国のみなさんに食べてほしいですね!!
■お問い合せ先:天童市農業協同組合 TEL:023-653-5111

掲載日 H17.8.18
更新日 H20.11.12

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