さくらの旬の味覚発見!

山形のいちご

山菜の王様は、山形が誇る逸品!
 まだほんの少し雪が残る山形県。でも日中のポカポカした陽射しは確実に春の訪れを感じさせてくれます。
 みなさんは、「春」ってどんなイメージを浮かべますか?さくらは、お花いっぱいの花壇とおいしい春の味覚、山菜!小さい頃は、家の裏の畑に顔を出すふきのとうやこごみをワクワクしながら採りに行っていました。それをお母さんが天ぷらにしてくれて、それがまたおいしかったんですよねー!今は自分が料理をするようになったけど、山菜料理ってアク抜きが大変でなかなか難しいですよね。でも今回ご紹介する「たらの芽」は、他の山菜と違って何の下準備もいらない、とっても簡単に調理できる山菜なんです!お料理3年生(微妙?)のさくらでも大丈夫!
 今回は寒河江西村山山菜部会の部会長さんである鈴木利和さんの案内で、たらの芽を栽培しているハウスを見学させていただきながらお話をお伺いしました。
たらの芽生産者

これくらいが食べごろ!
 鈴木さんたちが、冬の仕事としてたらの芽栽培を始めたのは昭和63年頃。当時からたらの芽は単価が高く、冬の間の収入源としてはとても魅力のあるものでした。でも実際には県内の産地が少なく、情報を得ることがとても困難だったそうです。たらの芽は、原木(穂木)となる「たらの木」から芽が出てくるものなのですが、その原木(穂木)をどう栽培するか、穂木を切ったもの(駒木)からどうやって芽を出させるか、まさに手探り状態。時にはベッド内全ての芽を捨ててしまわなければいけない時もあったそうです。
 そんな中「朝日町たらのめ組合」が結成され、お互いの知識を持ち合い協力しあいながら栽培に成功。その後どんどん朝日町にたらの芽を浸透させていきました。特にここ2・3年で市場の評価もグンと上がってきているそうです。
*栽培方法*
 鈴木さんたちの栽培方法は「促成(ふかし栽培)」。切った穂木(駒木)を、切り口が乾燥しないようにウレタンマットを敷き、常に85%以上の湿度を保つため二重のトンネルで管理に気を配ります。いつもこれくらいの湿度の中にいたら、さくらのお肌もしっとり潤っちゃいますね!温度は8°Cから25°Cにキープ。昼の間は外から射し込む日光で十分ですが、夜間は電熱線で温度を保つのだそうです。この状態で、2月だと約1ヶ月、3月だと20日間、4月にもなるとだいたい2週間ほどで出荷できるまで成長します。地域によって異なりますが、朝日町では11月末から4月下旬の期間に伏せ込みから収穫までを3回から4回繰り返すそうです。こうして鈴木さんたち「朝日町たらのめ組合」は、安全・安心でおいしいたらの芽を出荷しています。
  鈴木さんに、たらの芽栽培で一番苦労される点は?とお伺いしたところ、意外にも「土地探し」という答えが。皆さんは、「連作障害」ってご存知ですか?これは、同じ場所で続けて作付けすることにより起こる障害のことで、野菜によって連作しても大丈夫なものと、駄目なものがあるのだそうです。作付けを空ける年数もそれぞれ異なり、1年のホウレンソウから、6〜7年のナスやゴボウもあります。たらの芽の場合は5年間は同じ畑で作ることができないと言われているそうです。そのため、最低でも過去5年間、もしくは今まで一度もたらの芽を育てていない土地を、毎年探す必要があるんだそうです!大変ですよねー!!この連作障害についてはわからないことがたくさんあるので、まだまだ研究中なんだそうです。
 

ベッドにはたらの芽がたくさん!!


切った穂木が山積みに。
花芽を見分ける新関さん。
ひとつひとつ丁寧にパック詰め。

おいし〜。
摘む時点ですでに長さ調節してるんですって。そこはやっぱり長年の勘とテクニックですね!
   そんな苦労を伴うたらの芽も、今では県内で栽培していない市町村が数えるくらいしかない程ポピュラーになりました!なんと全国でも山形はトップクラス!…それなのにどうして一般家庭の食卓ではあまり見られないのでしょうか??なんとたらの芽は東京や大阪などの都市に多く出荷されており、料亭や旅館など、業務用として扱われるのが多いんだそうです。もちろん地元にも出荷されてるそうですよ。
 脂質・たんぱく質・ビタミンB2などを多く含んで、栄養面でも優た山菜の王様、たらの芽。ほろ苦さと「きどみ」がクセになりますヨ♪皆さんもこの春の味覚をぜひおうちで味わってみてくださいね!(さくらもこの機会に天ぷらをおいしく揚げるコツをマスターしま〜す!)

なんと鈴木さんのお宅に上がり込んで、天ぷらをご馳走になってしまいました!!サクサクのアツアツでとってもおいしかったです!!鈴木さんにお茶まで入れていただきましたー!鈴木さん、ありがとうございました!!

掲載日 H15.2.27
更新日 H20.11.12

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