さくらの旬の味覚発見!

山形のさくらんぼ

さくらんぼ王国が誇るルビーの輝き!
 5月も半ばにさしかかり、毎日すっかりポカポカ陽気の山形。この時期になると、田植えをはじめ果物や野菜の農作業が本格的にスタートします。農家の皆さんは毎日大忙しですね!
 そしてやはりこの季節になると気になり出すのは、山形を代表するあの果物…。小さくてかわいくて、宝石みたいにキラキラした、誰からも愛される果物…そう、「さくらんぼ」です!実はさくらの実家ももとはさくらんぼ農家。小さい頃はおじいちゃんにくっついて、よくさくらんぼ畑で遊んでいました。もちろんお手伝いもしましたよー!さくらの担当は、出荷できない双子ちゃんのさくらんぼと、割れてしまったさくらんぼを食べる事!おいしいおいしいお手伝いでした〜。そんな身近にあったさくらんぼでしたが、今回改めてさくらんぼについて学ぶ事ができました!今回は、寒河江市の三泉観光さくらんぼ組合の組合長、渡辺敏幸さんにお話を伺いました。

ハウスの中のさくらんぼは、今が収穫のピークです!
   山形の果物を代表するさくらんぼですが、県内で栽培が始まったのは明治9年、当時は山形だけでなく全国で試作されたそうです。でも山形県以外ではほとんどが失敗に終わり、霜や台風などの被害が比較的少ない山形県だけがどんどん実績をあげていき、「さくらんぼ王国」と呼ばれるまでになりました。
 村山地区を中心に普及してきたさくらんぼ栽培ですが、その中でも寒河江市のさくらんぼは、有名なさくらんぼブランドとして広く全国に知られるようになりました。そして、ここ三泉(みいずみ)地区のさくらんぼは特においしいと、毎年観光客のリピーターが後をたちません!そのおいしさの秘密は、実は土にあるのだそうです。
 渡辺さんのお話では、昔近くを流れる寒河江川の氾濫によりこの地域に流れ込んだ砂利が、今も土の下で排水を良くするという大切な役割を果たしているんだそうです。さくらんぼは排水が良くないと良質の実にならないことから、県内でもこんなに恵まれた土地は他にないそうです。自然の災害が後になってこんなカタチで役にたつってスゴイですよね!
*さくらんぼのハウス栽培*
 渡辺さんから案内してもらった寒河江市さくらんぼ部会長土田隆志さんの加温ハウスでは、露地物よりもひと足早く真っ赤に色づいたさくらんぼがいっぱい実を付けていました。ハウス栽培が普及してからは、さくらんぼの出荷時期も早まり、4月から5月はハウスさくらんぼ、6月から7月は露地物のさくらんぼが楽しめます♪ハウスの中には、加温装置が設置されハウス全体に暖かい風を循環させて温度を保つのだそうです。

*おいしいさくらんぼの理由は?*
 今では全国の8割の生産量を誇る山形県のさくらんぼ。その理由は、やはり果物に必要な「寒暖の差」と「太陽の光」です。山形の6月は、日中は太陽の光がふりそそぎ暖かく、そして夜はぐっすり眠れるほど涼しいんです。そしてまた、冬もある程度寒さが必要で、この気候がおいしいさくらんぼを育てます。
 甘くておいしいさくらんぼを作る3大条件の第1位は剪定(枝切り)なんだそうです。不要と思われる枝や葉を落とし、小さなさくらんぼたちに光が十分にあたるように気づかいます。こうする事で実も大きく育ち、赤みも増すんだそうです。もちろん地面に敷いた銀色のシートでも上からの光を反射させ、さくらんぼの下にも均等に着色するよう促します。やっぱり赤いさくらんぼの方が糖分が多くておいしいんだそうですよ!
 おいしいさくらんぼ作りの3大条件第2位は肥料。寒河江市では、「さくらんぼ有機」という特別な肥料が作られ、多くのさくらんぼ生産者に使用されているそうです。その他にも堆肥を与えたり、乾燥予防として根本にワラをしいたりと、土管理はとても大切。排水が良い土ほど、よりおいしいさくらんぼが出来るのです。太陽の光と、いい土と…。おいしいさくらんぼって豊かな山形の自然の象徴みたいですね!
 それからもう一つ、おいしいさくらんぼ作りにかかせない大切な事。さくらんぼは、他の品種の花粉がないと実がならない果物。例えば、「佐藤錦」には相性のいい「高砂」や「ナポレオン」の花粉が必要なんですって!それにさくらんぼの花粉は風では飛ばないので、人の手や蜂による「受粉」が大切。そのときは、「みつばち」や「マメコバチ」が大活躍!ちなみに受粉樹が多ければ多いほど結実がよく、おいしい実がなるんだそうです。

 

ハウス栽培にかかせない加温装置。


今年は霜も少なく、露地物も平年通り順調に育っているそうです♪


ハウスの外には「マメコバチ」。さくらんぼの後は菜の花でお腹を満たして♪

見て下さい、この色とツヤ!!おいしそう〜〜〜!


きれいにならべられたさくらんぼ。いつ見てもこれは芸術品!
  *ちょっと苦労話*
 さくらんぼ作りで一番大変なのは、やっぱり収穫作業だそうです。小さなさくらんぼを一個一個傷つけないよう摘み取る作業は気が遠くなりそう!それからビニールかけの作業も、農業従事者の高齢化が進む現在ではとても大変な作業なのだそうです。確かにあんな高い所での作業は大変だし、危ないですよね。最近では低木栽培が多くなり、隅々まで手をかけ、ますますおいしい実が育つようになってきたそうです。「さくらんぼ王国山形」の名前をこれからも残していけるように、どんどんさくらんぼ作りを若い方に引き継いでいって欲しいなーと思うさくらなのでした。

*寒河江市三泉のさくらんぼ*
 渡辺さん曰く、三泉のさくらんぼはズバリ「見た目よし、食べてよし、日持ちよし」の三拍子がそろった自慢の品!さくらんぼは鮮度が落ちやすいデリケートな果物ですが、三泉のさくらんぼは光沢があって、日もちがいいのが特徴なんです。これもやはり排水がいい土のおかげ!!雨が降っても水はけがいい土は、ギュッと実のしまった、最高のさくらんぼをつくりだしてくれます。この土こそ、三泉の宝物ですね!これからもおいしいさくらんぼを期待しています!


三泉観光さくらんぼ組合の組合長、渡辺敏幸さんと。

 三泉観光さくらんぼ園にお邪魔しました。シーズンになると、1日だけで三泉の人口(約2千人)を越えるほどの観光客がさくらんぼ狩りに訪れるというから驚きです!ちなみに寒河江市全体では1日1万人!すご〜い!

三泉観光さくらんぼ園
■お問い合せ:
 0237-86-1444(代)
(6月1日以降営業、
 8:30〜17:00)
■開園:6月10日
■佐藤錦狩り:6月10日〜7月5日頃まで

観光さくらんぼ園情報更新 H20.6.1

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