さくらの旬の味覚発見!

山形のぶどう

芳醇な香りとみずみずしさが見事なハーモニー!
 今回伺ったのは、上山市の「本庄ハウスピオーネ組合」の元組合長、金子芳美さんのハウスです!
*ぶどう生産者とぶどう畑*
少し低めのハウスの入り口をくぐると、目の前に広がったのはまるで絵本に出てくるような光景!そしてハウスいっぱいに広がる、甘〜いぶどうの香り!さくらの心配もなんのその、ぶどうたちは立派に育っていました!!ぶどう畑に実際入るのは初めてのさくら、「ここにテーブルを置いてイングリッシュ・ティーをいただいたら最高〜」などとすっかり夢心地でした。
 「本庄ハウスピオーネ組合」の組合員さんたちの畑は、一つあたり約20アールの大きさ。元は田んぼだった土地を、第二次構造改善事業の際にぶどう畑へと生まれ変わりました。組合は昭和53年に発足し、この年に最初の木を植え、実際にハウスを作ったのは2年後の昭和55年。ピオーネは当時山形ではあまり栽培の実績がありませんでした。でも、ひと粒ひと粒の大きさと見ごたえ、食べごたえに魅了された組合員さんたちは、あえてピオーネの栽培を決心したのだそうです!
 
収穫真っ最中のピオーネたち。もう「お見事!」のひとことです!
*栽培方法*
 作業はまず落葉後、樹の剪定(せんてい)から始まります。果実生産量を左右する大切な作業ですので、冬でも決して気を抜くことはありません。3月末から4月にはハウスの準備にとりかかります。金子さんたちのハウスは、なんと自動で屋根が開くシステムを導入!天気がいい日は開き、寒かったり雨が降ったりすると閉まる、とっても賢いシステムなのです!!自然に風が抜けて換気される斜面の畑と違って、平地はどうしても湿気がこもりがち…。なのでこの自動換気により、ハウスの環境は自動的に微調整され、いつもぶどう達にとってベストな状態が保たれているのです。
 こうして5月、つるがどんどん伸びてきます。栽培は棚につるを這わせる平棚栽培。花が咲き始めるこの時期、立派な房をつくるために余分な花を取っておきます。取らずにおくと実が着きすぎて、立派な房にならないんですって。この時期の房の長さは、最初は25cmほどありますが、不要な部分を全部取り、4cm位 に小さく作ってしまうんだそうです。
 そして実が大きくなるにつれて、ひと房ひと房の中に隠れている実や、余分な実を摘み取り(摘粒)、房の大きさや形を整えていきます。「ひと房ひと房」ですよ!?考えただけでも、大変そうな作業です!でもこれが収穫時のぶどうの品質を左右する大切な作業なんですって!
 ピオーネは、肥料に敏感な品種で肥料を与えすぎると、強くなりすぎてつるだけ伸びてしまうそうです。与えているのは樹皮堆肥。量 は独自に研究し、最初の頃から比べるとぐんと減ったそうです!ぶどうはもともと乾燥地帯で作られているため、土も乾燥気味が良く、湿気や雨が多いと「べと病」や「裂果 」(水分を吸いすぎてぶどうの粒に亀裂が入る症状)になってしまう事も!あまり乾燥し過ぎた場合は、ハウス内のスプリンクラーで水まきをします♪
 もちろん農薬は極力少なめ!! 「本庄ハウスピオーネ組合」の皆さんはエコファーマー認定農家ですから、とっても安心ですよ!ちなみにぶどうの果粒の表面についている白い粉は、病気や乾燥から果実を護るためぶどう自身が出す成分で、果粉(ブル−ム)と呼ばれています。この果粉が綺麗に付いているのが新鮮な証!まさかこれを農薬と勘違いしてる方はいないですよね〜〜。農薬だと思って一生懸命洗って食べていたのは、さ、さくらなんかじゃありませんよーだ。(←実はそうでした☆)そして実がさらに大きくなってくると、雨予防と鳥獣害防止の傘がかぶせられます。これだけで害虫もつきにくくなるので、農薬も少なくてすむんだそうです。
 こうして8月末頃から9月末、ようやく収穫の時期を無事むかえます!お話を伺ったこの日は収穫4日目で大忙しの金子さん。出荷先は全て農協さんですが、そこからは主に東京大田市場、名古屋、大阪などへ出荷されていきます。全国の評価も高く、今では山形はぶどう栽培面積全国第3位!1位の山梨、2位の長野に続き、ぶどうの有名産地として名が知られるようになりました!
 

この道25年の金子さん。


ハウスの屋根は自動に開いたりしまったり。

ところどころにスプリンクラーが。


果粉たっぷりのピオーネはおいしさの証拠♪
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ただ今収穫真っ最中!
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色鮮やかなもぎたてのピオーネ!おいしそう!!


見てくださいこの大きさ!さくらの顔くらいある!?
*ちょっと苦労話*
 20数年前の当時、ピオーネは山形には少ない品種でした。ピオーネに魅せられ「これだ!」と思ったものの指導者がおらず、ほとんど自ら研究を重ねる日々…。種あり、種なし、さまざまな品種を研究、ようやく「いいもの」として世間に認識され始めたのは、スタートから10数年経ってからだったそうです。中でも一番頭を悩ませたのは、粒の揃え方だったそうですよ!

*エコファーマー認定農家「本庄ハウスピオーネ組合」*
 農薬や化学肥料をできるだけ使用せず、有機肥料だけを使って、安心・安全なぶどうを作りたい!!そんな同じ気持ちを持った6人のぶどう生産者が集い、昨年エコファーマーの認定を受けました。農薬を極力おさえたピオーネはまさに6人の熱い想いの結晶です!!

「本庄ハウスピオーネ組合」のピオーネのお問い合せは:
■JAやまがた 南部営農センター TEL.023-673-3108 まで

左から金子さんご夫妻、JAやまがた南部営農センターの尾森さん、組合員の石山真一さん。
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本庄ハウスピオーネ組合員さんたち。
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掲載日 H15.9.2
更新日 H20.11.12

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