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ホーム > 旬の農作物なう!:ひめセルリー
2024.06.19掲載
山形市は東北有数のセルリー産地で、JA山形市では昭和43年から栽培が行われています。「山形セルリー」は、大株の「とのセルリー」と小株の「ひめセルリー」があり、どちらも苦みが少なく、甘みが感じられる柔らかい風味が人気で、高い評価を得ています。
JA山形市では、後継者育成と新規就農者の受け入れを目的に、平成27年にセルリー団地を整備し、ベテラン生産者、産地研究室、農業技術普及課が連携して支援してきました。その成果もあり、次世代を担う若手生産者が定着し、生産量も順調に伸びています。
「山形セルリー」の旬は年2回。5〜6月に収穫する「春作」と、10〜11月に収穫する「秋作」があります。
今回は、セルリー団地で「ひめセルリー」を栽培している石垣翔一郎さんのハウスに伺い、秋作の種まき作業を取材してきました。
@ 石垣さんは、セルリーを栽培し始めて4年目。現在はハウス13棟(41a)でセルリーを栽培しています。
春作のセルリーの収穫の合間を縫って秋作の種まきを行っています。
A はじめに、水稲用の育苗箱に土を入れていきます。様々な容器を試した結果、排水性の良さからこの育苗箱にたどり着いたそうです。
B 土はでこぼこが無いように丁寧に平らにならします。
C セルリーの種です。セルリーの姿からは想像できないような、小さな種ですね。数年に一度、団地の仲間たちと種を採っているそうです。
D 湿らせた土の上にまいていきます。種の発芽率によって、まく量を加減しているそうです。
E まき終わったら、薄めに土をかけていきます。
F 最後に上から水をかけて種まきは終了です。芽が出るまでは7〜10日程度です。
G 種まき後は、土の乾燥や暑さを防ぐために日よけをします。
秋作のセルリーは夏場の育苗なので、丈夫な苗を作るためには、日々の観察とこまめな管理が必要です。
次回は、育苗箱からセルトレーに苗を移す鉢上げ作業を紹介します。
2024.08.27掲載
今回は、「鉢上げ」と「定植」の様子を取材しました。
@ 種まきをしてから約1か月がたち、セルリーの苗もかなり大きくなりました。
ここから良い苗だけを選んでセルトレーに移植する、「鉢上げ」をしていきます。
A はじめに、土を詰めたセルトレーに穴をあけます。
B 根が白くて葉が2枚以上ある苗を選びます。
C 苗の根が絡まっているところは丁寧にほどいて、1本ずつ移植します。
D 石垣さんは、約3週間かけて3万3千本程を鉢上げします。
鉢上げ後からきちんと根づくまでは、土が乾かないようにこまめな水管理が必要ですが、根づいてからは、徒長や根腐れを防ぐため水やりは控えめにします。日々成長していく苗に合わせた水管理が重要となってきます。
E 鉢上げから約1か月がたちました。苗も葉数が鉢上げ時の2枚から6〜7枚と増え、大きく育ちました。いよいよ畑へ定植です!
F 根が白くて、根鉢のまわりにしっかり根が張っている良い苗だけを選んで定植していきます。
(根鉢…鉢から抜いたときの、土と根のかたまり)
G 1株ずつ定植していきます。石垣さんの圃場では、約1か月をかけ、3万1千本を定植します。
H 秋作のセルリーでは、暑い夏場を乗り切るためにハウスの遮光が必須です。地面には、地温上昇を抑える効果のある白いマルチシートを敷きます。
遮光する期間は1か月程度ですが、近年は暑い年が続いているので延長することもあるそうです。遮光が長すぎると葉の色が薄くなったり、ひょろひょろとした弱い株になったりする危険もあるため、天気とセルリーの状態を見ながら調整しているそうです。
次回は、「芽かき」の作業をお伝えします。