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ホーム > 旬の農作物なう!:蔵王かぼちゃ
2025.06.30掲載
「村山伝統野菜」のひとつに数えられる蔵王かぼちゃ。蔵王成沢の農家が、昭和23年に旧中川村中山地区(現在の上山市)から種を持ち帰って栽培を始めたのが始まりと言われています。特徴は、灰白青色の硬い果皮、大きな「へそ」、上品な甘さとホクホクとした食感です。地域の食文化を彩る存在として、蔵王地区で大切に育てられてきました。
しかし、近年では生産者の高齢化もあり、消滅の危機に直面しています。そんな中、若手生産者の二ノ戸新太さんは、農業を始めたばかりの頃に蔵王かぼちゃの生産者と出会い、その魅力に惹かれて自らも生産を始めました。二ノ戸さんは生産量の拡大だけでなく、蔵王かぼちゃを未来に残すためのPR活動にも力を入れています。
今回は、二ノ戸さんの活動にも触れながら、蔵王かぼちゃの栽培についてご紹介します。第1回は、土づくりと苗の定植について取材しました。
@ 6月上旬、二ノ戸さんの畑を訪ねました。背後には雄大な蔵王山系の景色が広がっています。蔵王かぼちゃの栽培は、このような中山間地域が適しているそうです。野生動物の被害を防ぐため、畑は電気柵でしっかり囲まれていました。
A こちらが二ノ戸新太さんです。今年で就農2年目の若手生産者です。蔵王かぼちゃの生産者は、現在は二ノ戸さんを含めてたった3人しかいません。
B 取材した時は、数日後の定植に向けて、畑を耕す作業をしているところでした。
C 耕した畑には黒いビニールのマルチが張られていました。黒いマルチは地温の上昇や雑草の防止に役立ちます。マルチの横のスペースには、緑肥(※)を植えるそうです。
※今回の栽培では、雑草の繁茂を抑えたり、害虫の天敵を守ったりするための植物(緑肥作物)を作付けすること。
D この畑は2年前までは耕作放棄地で、石が多く、時には大きな石が土の中から出てくることもあるそうです。水はけを良くするため、畑の外周に排水用の溝が掘られていました。ショベルカーによる大工事だったそうです。
E 二ノ戸さんは化学肥料や農薬に頼らず、堆肥や緑肥による土づくりをしています。実際に土に触れてみると、ふかふかしていて、軟らかい感じです。昨年の土づくりの成果が出ています。
F 6月14日、山形市内の子どもたちも参加して、苗の定植が行われました。二ノ戸さんがユニークな蔵王かぼちゃのかぶり物をかぶって、子どもたちに植え方を教えていました。
G 二ノ戸さんは、蔵王かぼちゃを未来に残したい、子どもや若い世代においしい野菜をたくさん食べてもらいたい、という思いで活動しています。
次回は生育中の様子をお伝えします。